二人だけの問題ではないのだ

結婚式にもずいぶん出席させていただいたが、結婚式ほどその人の器がはっきりわかるイベントはない。
類は友を呼ぶとはよく言ったもので、結婚式に呼ばれたその人の友人を見れば、いくら今はカッコつけていようが威張っていようが、そいつがどんな人間なのかはだいたい想像がつく。

まあ友人代表のスピーチがしょうもない人間は本人もたいがいしょうもない(笑)。
だって友人代表を選ぶのは当の本人なわけで、その友人がどんな人間か、どんなことを喋るか大方想像できるはずだし、そもそも僕だったら(今回は一人称は僕にしてみた)そんなしょうもないことを喋る人間とは友達にならない(笑)。

とにかく「早く終わればいい」とばかりにありきたりの文面を「紙に書いて」持ってきて「小声でかつ早口でまくしたて」るような友人代表スピーチには怒りを覚える。こっちとしては、人数の多い結婚式とかでテーブルでの話声が部屋中に充満して誰も聞いていないスピーチの悲しさもよくわかっているので、できるだけスピーチはちゃんと聞いてあげようとしているのである。
しかもあんたは新郎ないしは新婦から「今まで20数年生きてきた中で一番の友人はあんただ」と指名されているんである。
ちゃんと期待に応えろよ(笑)。

なぜ僕がこんなことを書いてるかというと、つい先週結婚式に出席したからなのだが、まあ主賓から友達から喋る人喋る人「全て最悪」。
ユーモアの欠片もなく、ひたすら小声で早口でありきたりの文面。しかも「何人も続く」(笑)。
二人で出てきて、マイクを二つ用意させているのにも関わらず、一人が10秒ほど小声でつぶやいただけで終わる二人組。
会社の紹介を延々する上司。
その後はお決まりのカラオケ大会。親戚のおっさん勢揃い。これも「何人も続く」(笑)。
しかもそれぞれが自分の歌には自信をもってるらしく熱唱に次ぐ熱唱。
とほほ・・・。

結婚式なんてもんは所詮二人が幸せならいいのか?
いいや呼ばれた人間の身にもなってみい(笑)。

自分の結婚式を後々冷静に分析して、ここはあれがダメだった、あそこはそれがダメだった、逆にこっちはこれがよかった、などど話し合ってる夫婦などめったにいないだろうし、大抵自分の結婚式は「いい式だった」と思っている(笑)。

僕のかなり近い友人で去年結婚した奴がいるが、そいつの結婚式は「仲間だけのくだけた雰囲気」を狙ったつもりだったのだが、いかんせん考えが浅すぎて、すべてにおいて中途半端でなんのメリハリも無い式だった上に、飯はよくありがちな「大皿勝手にとってくれ」方式で、かつホテルのスタッフも取り分けサービスとかしないせいで最後の方は全然料理が食えず、何を食ったのかさえ覚えていない。
まあビュッフェ式よりはましか。「取りに来い」っつうのは論外だな、いくらレストランウエディングで会費制だって言っても。

で話は戻るが、「仲間だけのくだけた雰囲気」のはずが、なんだか「本家の挨拶」とかわけわかんねーのが入ってたし、最後に花巻市観光ガイドを配るというしょうもなさ(笑)。

ちゃんと泊まるところとか取ってくれてたし実際かなり仲の良い友達の一人なので、上に書いたようなことは決して本人には言わなかったが(笑)、この間「本人は自分の式がすばらしい式だったと思っている」ことが判明し、さすがにそれは間違いを正してあげなあかんやろ、とペンをとった次第(笑)。

ただ実際問題結婚式をするということが決まった時点で、事態は二人の思わぬ方向に進んでいくのが世の常で、いつの間にか膨大に膨れ上がった招待客、しかも意図せぬ親戚の大物(笑)なんかも含めた全ての思惑が丸く収まる結婚式など無い。
あとはどこに着地させるかが二人の腕の見せ所で、この操縦を誤ると本人も招待客とんでもなく不愉快な思いを味わうことになる(笑)。

なんだか本題を忘れそうになったが(笑)、そう、結婚式はその人の器を見事に表現する。
しょうもない奴の結婚式は、どんなにがんばったってしょうもないんである(笑)。
これは断言してもいい。

結婚式は人生の中で唯一自分を中心に世の中が動くイベントである。
本人を中心として、その人間の与える影響がその同心円上に広がる会場スタッフ、招待客へと波及する。
しかもそのイベントを遂行するという目的に対して、「中心は決してぶれない」。
本人のすばらしさと同様、しょうもなさもその伝達とともに指数関数的に増大していく。

そして会場一体となってすばらしい演出を完成させる場合もあれば、全員が一致団結して雰囲気を台無しにしてしまう(笑)場合もある。

別に僕は「バカはどうがんばってもバカだ」(笑)などということをこんなに字数を使って言いたいのではない。
いや本心はそう思っているが(笑)、もうちょっと軟らかい表現で閉めさせていだだく。
結婚式っちゅうのは、自分の資質やキャラクターが、好むと好まざるに関わらず、自らの友達や式全体に流れる雰囲気を通じて判明してしまうと言う、ある意味非常にシビアなイベントなのである。
少なくとも僕を招待する場合は精一杯もてなしなさい(笑)。
ご祝儀3万円に見合うもてなしっちゅうのは、二人で真剣に頭を悩ませないとできないもんだと思うよ。

(1999.02.24)